調査研究


ふたごラボってどんな研究?

どうしてふたごを研究しているの?

ふたごは特別ではない

ふたごラボの目的は「ふたごがいかに特殊なのか」ということではありません。むしろ、ふたごであろうとなかろうと人類全体に共通する疑問 — なぜ家族や親類が似ていたり、似ていなかったりするのか — にこたえたいと考えています。

ふたごの皆さんは、どうしても、「やっぱり似ているね」とか「意外に似ていないね」などと言われた経験が多いのではないかと思います。それによって不快に思われたり、反対に、少し嬉しく思ったりされたこともあるかと思います。ともすると人は、「ふたごは、他の人たち以上に良く似ている」という考え方をしがちのようです。

しかしふたごラボの研究スタッフは、少し違う考え方をしています。私たちは、ふたごのきょうだいが似たり似なかったりする仕組みも、ふたごでないきょうだいが似たり似なかったりする仕組みと、なんら変わりはないと考えています。さらにいえば、親子が似たり似なかったりする仕組みですら、同じだと考えます。だからこそ、ふたごの方々にご協力いただくことで、人間の家族や親類が似たり似なかったりする仕組みを研究できるのです。

その「似たり似なかったりする仕組み」には、『遺伝— 血が繋がっていること —』 と『環境— 同じ空気をすっていること — 』 が影響していると、ふたごラボでは考えています。

ふたごは特別でもある

似たり似なかったりする仕組みは共通でも、ふたごの方々には、いくつか特別なところがあります。

まず一つは「同じ年のきょうだいがいる」ということです。なぜなら、とくに同じ家庭で成長されたふたごの方々については、ふたごのきょうだいは、ある程度、同じ環境を経験してきたと考えられるからです。

ふたごでないきょうだいのことを考えてみましょう。例えば兄と弟の二人兄弟がいたとしましょう。兄の方は、ある日とつぜん赤ん坊がやってきて、今まで独り占めしてきた親からの愛情を奪われたと思っているかもしれません。弟の方は、生まれた時にすでに兄がいたために、一生に一度も、親の愛情を独り占めにすることができないかもしれません。

ふたごのきょうだいの場合は、少なくともそこまで極端な違いを経験することはないでしょう。どちらも、生まれたときから同じ年のべつの子供が家にいて、親の愛情を分け合う必要があります。それだけ、ふたごのきょうだいは同じような環境を経験する-同じ空気をすっている-と考えることができます。

もう一つ特別な点は、ふたごには一卵性のふたごと二卵性のふたごの方がいらっしゃることです。これは遺伝のことに関係します。

一卵性のふたごの方々は、もともとは一つの受精卵が、母親の胎内で二つに分かれて、別々の人間として成長し、生まれた方々です。もともとは一つの細胞(受精卵)だったので、もっている遺伝子は100%同じです。「クローン」という言葉がありますが、いってみれば、一卵性のふたごの二人は、お互いのクローンであると言うこともできます。クローンなどというと、何か恐ろしい感じがしますが、実はそれほど不自然だったり、恐ろしいことではないことが分かりますね。

それでは二卵性のふたごの方々はどうでしょう。二卵性のふたごは、母親の胎内で、同時に二つの卵子が受精し、成長して生まれてきた方々です。ふたご以外のきょうだいも、別々の卵子が受精し、成長して生まれてきた方々ですから、二卵性のふたごは、ふたごでないきょうだいとは、同時に生まれたという点で異なっていることがわかります。

ふたご研究の意味:特別なことと、特別でないこと

ここまで、ふたごの方々が特別でないことと、特別であることを説明してきました。この二つを合わせることで、なぜ家族や親類が似たり似なかったりするのか?という疑問への手がかりが得られます。

家族や親類が似たり似なかったりする理由には、おおきく「遺伝」と「環境」があると考えられます。この遺伝と環境の力を、ふたごの皆さんに協力していただくことで、調べることができるのです。

例えば、家族の性格が似るのはなぜでしょうか?遺伝子が同じだから?それとも同じ家で育ったから?一卵性のきょうだいと二卵性のきょうだいを比べることで、この疑問に答えることができるのです。

まず一卵性のふたごのきょうだいを考えてみます。この二人は遺伝子は100%同じです。そして同じ家で成長したのならば、家庭環境も同じだったと考えることができるでしょう。つまり性格が似る原因が、遺伝、環境とも全くおなじ二人と言えます。

それでは二卵性のふたごのきょうだいは?この二人も家庭環境は同じと言えるでしょう。でも遺伝の力は?二卵性の二人は、平均して半分の遺伝子しか同じではありません。つまり性格が似る原因が、遺伝は半分、環境は全く同じという二人なのです。

そこで、一卵性の二人のほうが、二卵性の二人よりも、性格がよく似ていたとしましょう。その原因はどこにあると考えられるでしょうか?一卵性のきょうだいも、二卵性のきょうだいも、家庭環境が同じであったことに変わりはありません。2種類のきょうだいで違うのは、遺伝子が100%同じか、半分しか同じでないかというところだけです。つまり、一卵性の二人がより良く似ていたのは、遺伝子がよく似ていたからだろうと、推測することができるのです。

このような計算をすることで、なぜ人間の家族がお互いに似たり、似なかったりするのか。そこに遺伝の影響力がどれほど働いていて、環境の影響力がどれほど働いているのか、調べることができるのです。

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