調査研究


ふたごラボってどんな研究?

何のために研究しているの?

何の役に立つのでしょうか?

家族が似ること・似ないことの研究なんかして、何の役に立つのか?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。また、家族が似るのは遺伝の影響だと分かったとしたら、差別につながるのではないか?と不安に思う方もいるでしょう。

そうした不安が根拠のないものとは言えません。現実に、性格や知性への遺伝の影響の研究は「優生学」という形で悪用された歴史があります。しかし、だからこそ、遺伝や環境の影響力についてのきちんとした研究が必要なのだと、ふたごラボのスタッフは考えます。

遺伝と環境の研究には「正しい知識」が大切です

例えば、地球温暖化のことを考えてみてください。

石油などの化石燃料を使うことによる二酸化炭素のために、地球の温暖化が進んでいると言われています。しかし世の中には、地球はそもそも暑い時期と寒い時期を繰り返していて、今はだんだん暖かくなる時期にあるのに過ぎない。化石燃料の影響はあまり無いという意見もあります。

どちらの意見が正しいかで、二酸化炭素を減らすために石油を使うのを控えるべきなのか、そうした必要はないのか、判断が、大きく変わって来るとは思いませんか?ある問題への適切な解決のためには、ものごとの正しい原因を見きわめること、すなわち「正しい知識」がとても大切なのです。

似ることと似ないことの研究、つまり遺伝と環境の研究にも、同じことが言えると、ふたごラボは考えます。

遺伝と環境、どちらが重要なのでしょうか?

例えば学校での成績に遺伝(子ども自身の素質)が全く無関係だとしましょう。その場合は、環境さえよければ、全ての子どもが良い成績を取れることになります。なぜなら遺伝の影響がゼロなら、全ては環境によって決まることになるからです。

学校の成績には、もちろん国語や数学、英語などだけでなく、美術や体育も含まれます。つまり子どもの素質などにおかまいなく良い教育を受ければ、誰でも数学の難問を解けるようになり、英語もスラスラ読めるようになり、素晴らしい絵を描き、100メートルを12秒くらいで走れるようになる。そういうことが予測できます。はたして、そんなことが本当にあるのでしょうか?

では逆に、学校の成績が全て遺伝で決まっていると仮定してみると、どうなるでしょう。こんどは、環境の良し悪しは、成績とは無関係ということになります。どんなに良い教師に教えてもらっても、「できない子」はできないまま。逆にどんな手抜き教師に教わっても、「できる子」は良い成績を取れるということになります。教育のためにどんなにお金やエネルギーを割いても、結局は「生まれ」だけで決まってしまう。はたして、そんなことが本当にあるものでしょうか。

環境を整えることで、皆が良い成績を取れるようになるものなのか、そうではないのか。こうした問題は、教育方針を考える時に、とても重要なことになってきます。これまでの国内外のふたご研究から、おそらく現実は「全て環境」と「全て遺伝」の中間にある、つまり遺伝の影響と環境の影響はどちらも同じくらいに重要と考えることができます。

ふたごラボが研究をしている目的

「ふたごラボ」のスタッフはさらに、こう考えています。遺伝が何パーセントの影響力をもち、環境が何パーセントの影響力をもつという考え方では不十分なのではないか。むしろ、それぞれの人が、自分がもっている遺伝的な素質を、自分の暮らしている環境の中で発揮していく、その仕組みを明らかにすることが大切なのではないか。

たとえば「語学が得意」という素質を持った人が、英語劇のサークルに出会うことで、さらに英語の力を伸ばしていくこともあれば、小説を書くことで、さらに母語の能力を高めることもあるかもしれません。「運動が得意」という素質を持った人が、サッカー部と出会うことでサッカーの力を伸ばすこともあれば、バレエ教室と出会うことでバレエダンサーとして開花していくこともあるかもしれない。そう考えると、学校の成績をただやみくもによくするための勉強をするよりも、自分の素質を活かすことを目標にすることが大切と考えることもできるかもしれません。

でも、この考えはまだ科学的にきちんと検証されたものではありません。遺伝と環境の関係は、本当に我々が考えているようなものなのか「正しい知識」が必要です。それによって、人々が生きていくうえで、より良い判断をするための手がかりにしていただけたら。それがふたごラボが研究をしている目的です。

ふたごラボを通じて、より多くの方に伝えたいこと

ただし「正しい知識」はあくまで「正確な知識」にすぎず、「道徳的に正しい知識」ではありません。「正確な知識」は、良いことにも悪いことにも使えます。ナイフが、物を切ることにも、人を傷つけるのにも使えることと同じです。遺伝と環境に関する知識は、悪用される危険性の高いものであることも、事実であるとふたごラボは考えています。それだけに、より多くの方に遺伝と環境の正確な知識をもっていただくことで、一部の人間だけが悪用するのを防ぐことにつなげることができたら、とも考えています。

今後、ふたごラボのウェブサイトを通じて、少しでも、ふたごの皆さまにご協力いただいた結果をお返ししていきたいと考えております。

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